このところ、雑用で更新が出来ませんでした。そんな中、先日高知の、いとこのご主人様が他界されたとの報を受けました。当初は、日帰りも検討いたしましたが、あまりにも強行軍なので、1泊することにしました。そこで、早速宿の検索をしたところ、お気に入りの中に、徳島の祖谷温泉を見つけました。早速予約をしてみると、スイートルームのみ空いているとの事。「日本の秘湯を守る会」のお宿で、スイート?はて?一応予約をしました。
ただこれが後々恐怖の道のりになるともしらずに、、、、。

急な知らせだったので、お通夜には、とても間に合いません。葬儀が、土佐市で12時からですので、余裕をもって逆算すると、朝4時出発に決定。ナビの計算では、11時には、到着する予定です。途中休憩や食事に時間を取られますので、ギリギリかもしれません。

まだ暗い中、順調に走行して7時過ぎには、明石大橋に到着。順調です。







そして、11時前に土佐市に入りました。これなら、宿泊しなくても日帰りできました~。葬儀を終え、いよいよ、祖谷温泉に。ナビをセットして出発したのが、14時。高速と一般道で、約60キロくらいの道のりで、1時間もあれば到着する予定ですが、実際には、とんでもない、、、。高速を降りてから、名勝大歩危、小歩危を眼下に見ながら走行。かなり道は狭くなってきて、交差もやっと。しかしこれは序の口でした。平家の隠れ家などを横目に、なんだか嫌な予感。道はますます狭くなり、交差どころか歩く人が居るだけで、走行できず、車幅一杯で草木に接触しながらの走行。落石が所々にあり、何とも恐怖。左側は断崖、一応ガードレールはありますが、ボコボコに歪んでいて、白い塗装がほとんど真っ黒。「皆ぶつかっているのね。」との妻君に言葉にまた恐怖、、、。前から車が来たらどうしよう、、、。どこまでバックしなければならないのかと思うとドキドキでした。幸いにも、2台と遭遇いたしましたが、ちょうど退避路ところでギリギリ交差できました。これも相手が、軽乗用車だったので、交差できましたが、普通車ならかなりきついです~。こんな道が15分ほど続きました。途中の写真はありません。早く抜けたい一心で、とても写真を撮る余裕もありませんでした。

40年以上車を運転していますが、こんなに緊張した運転はありません。若いときラリーをしてましたので、山道と悪路に離れている私ですが、かなり冷や汗をかきながらの運転でした~。山にへばりつくような崖道が急にポンと2車線になったところに宿が突然現れ、男衆さんが、5人もお出迎え。第一声が、「この車でよくご無事に来れましたね~」と、、、。それなら、「道せまいですよ~」くらい言ってよ~。興奮はまだ冷めず、宿の玄関の写真も撮り忘れました。旅館の名前は、「ホテル祖谷温泉」当初何て読むのかと思いましたが、「いやおんせん」らしいですね。これも知りませんでした~。恥、、、。

絶壁に張り付くように建てられた旅館で、山中温泉の鶴仙渓に面した旅館をほうふつとさせる建て方で、玄関は4階になります。チェックイン時に、「帰り道も今来た道みたいなんですか?」と聞くと、「今来られた道幅と同じで、時間は30分ほどあります。」との事。「え~~~~~。」言葉も出ませんでした~。
ともあれ気を取り直して、明日の事は考えずに、御部屋に直行。建物は、かなり古いようですが、改修されていて、とっても綺麗です。天井が少々低く圧迫感がありますが、快適です。私たちのお部屋は、505号玉響と言う角部屋。真横に、名物のケーブルカーがあります~。





景観は、最高です。高所恐怖症の私にはきついですが、、、。


山中の一軒宿ですので、エレベーターなどは無く、足が悪い方には少々辛いと思います。
宿のほかには、人工物が全くなく、まさに秘境です。電気が来ていることと、TVが写る事が不思議なくらいです。宿の売りは、皆さんご承知の通り、温泉。お湯が売りです。ケーブルカーで行く露天も、部屋付の露天も源泉を使っているみたいですが、成分表を見つけることが出来ませんでした~。

御部屋は、改修がされモダンな作りです。約15畳のお部屋ですが、マッサージ機があり、寝室と居間があります。椅子に座って、窓越しに山々を見ていると時間のたつのも忘れるくらいです。いい保養になると思います。こんな景色は初めての経験で、いいところです~。部屋には、コーヒー、紅茶、冷蔵庫にミネラルウオーターなど、アメニティーも普通にそろっていますし、お値段と比較すると、悪くないです。ただし、タオルの数が少々少ないです。露天や、大浴場には、タオル類は無く、御部屋から持っていくのですが、少々不便でした。枚数も一人2枚ずつしかなく、もう少しあっても良かったです。

お部屋の全景です。こじんまりしてますが、いい感じです。


トイレも綺麗です。


居間の感じも悪くないです。




ここにマッサージ機があります。ぼんやり山々を眺めるには最高です。






洗面所です。、


小さいですが足湯もあります。


人工物ののない風景はあきません。




御風呂から眺める山々も飽きません。




ベットも快適です。




さて、名物のケーブルカーですが、この傾斜がすさまじく、今まで乗った物の中で、最大の傾斜でした。長さは、約200Mほどで5分ほどで露天風呂に到着します。山々を見ながらの、5分間は大変気持ちの良いものです。誰もいない脱衣場。その階下に露天風呂があります。
川縁にくっ付くようにあります。当日は、前日からの雨で増水しており、川の流れる音がすさまじく、隣の女風呂に入っている妻君に声をかけてもまったく聞こえなかったみたいです。さて、メインの温泉は、かなりぬるめです。加温も加水もなしみたいで、白濁している温泉で、入った瞬間から、体中がヌルヌルしてきて、まとわりつくようなお湯です。こんな感覚は始めてです~。これが本当の温泉か~。凄いの一言です。


何ともトロトロ、ヌルヌルがすごいです。温度は、39度くらいだそうですが、かなりぬるく感じました。


川が迫っていますので、轟音が響き渡ります。




お湯を満喫、疲れも取れてまったりと夕食を待ちます。部屋にある足湯にも入りました。小さな足湯ですが、これもまた雄大な景色を満喫できました、
部屋付の露天風呂も多分源泉を使っていると思います。ただし、加温はしているみたいで、崖下の露天風呂よりかなり熱いお湯が出ます。水を加えたかげんで、少々源泉が薄くなっているのか、ヌルヌル感は薄まりましたが、とても気持ちの良いお湯で、適温では入れる分この方が私には良かったです~。温泉通の方々から、もったいないの声が聞こえそうですが、、、。崖下の露天風呂は、30分以上入っていないと少々寒いくらいぬるいです~。それと、渓流の水音がすさまじく、長時間耐えられませんでした。ゴーーーーと言う川音がもう少し静かなときに行きたいです~。

さて食事です。食事は4階の食事処で、いただきます。ここもモダンな作りで、大きな窓越しに雄大な景色を見ながらの食事です。当日は、金曜日でしたが、私を入れて、8組くらいでした。こんな不便なところに、これだけの人が来ているとは、、、。イヤイヤ凄いです~。日帰り温浴もできるそうですが、みんなこの道を来るのかな~~。偉!

最初に並んでいるお食事です。




アマゴのお刺身です。新鮮でおいしかったです。


牛肉の鉄板焼きです。美味。


簡単なサラダですが、このドレッシングが何とも美味でした~。


大きな鮎です。美味しかったです~。干し柿を丸めて焼いたものもあり、これまた美味。




この天ぷらは、岩塩を削って、いただきますが、かなり小さかったです~。




デザートは、立派でした~。



夕食後、御風呂に入りベットに横になると、ドライブ疲れか、恐怖の疲れか、22時には、寝ていました~。朝起きると、妻君が「寝言言ってたよう~。大丈夫?叫んでたよ?」。私の寝言は、子供の頃からかなりはっきりしゃべるみたいで、寝言とは思えないくらいはっきりした言葉を発するみたいで、、「うわあー、崖に落ちちゃった~どうしよう~」と叫んでいたそうです~。何ともはや小心者です~。

朝の食事、快晴の中の山々は、尚更すごいの一言。この景色は他では体験できません。高圧鉄塔も眼前にはまったくなく、本当に圧巻です。一瞬のうち、霧が発生したと思うとサ~っと、消え去りまた霧が出るといったところです。自然は素晴らしいと思いました。

こちらは、妻君の和食です。こちらの方が内容は良かったです。






私の注文の洋食です。これはあまりお勧めできません。





この景色は圧巻です。食堂からの眺めですが、これが一番良かった。


御部屋からのケーブルカー。凄い傾斜が判ると思います。


さて、今回は、温泉も景色も満喫しました。合計5回の入浴。でもあまり湯疲れはありませんでした。ヌルヌル、トロトロ、のお湯。とっても良かったです。いつもどおり、朝9時30分に出発。恐怖の道行が待っています。あの道が30分つづく道とは、、、。とほほ、、、。帰りもまた、前からの車を気にしながら、車幅一杯の道を下ります。運悪く3台の車とすれ違いましたが、これまた運よくバックすることなく交差できました。ちょっと不思議だったのが、途中3か所くらいに小さなバス停が立っていました、、、。周りには何もなく分かれ道もないのに、どこに行くためのバス停?どこに行くためのバス停?大体、この道幅にバスが入れるの?何とも不思議な、、、。ひょっとしてトトロの猫バス?本当に猫バスが出てきそうなところなのです~。今なお謎です~。
どうにか、事故なく国道にたどり着き、めったに入らないコンビニでコーヒーを調達して、一服してから、帰りは、瀬戸大橋経由で、帰路につきました。






今回は、急な出発で、下調べなしでしたが、こんなに道がすごいとは思いもよりませんでした。秘境と言うのがぴったりです。そう言えば、フロントの人が、「秘境の一軒宿祖谷温泉にようこそ!」と言っていたのを思い出しました。温泉も良く、お食事も山中を考えれば納得できます。
コスパも悪くなく、サービスも悪くありません。この温泉ならリピートしたいですが、この道はどうにも恐怖以外の言葉が出ません。行くなら、最寄りの駅から送迎をたのんだ方が良いと思います。少なくとも私は、次回行くときは、自家用車はやめて送迎をたのみます。たぶん2回目は無いと思いますが、この素晴らしいお湯と、雄大な景色は、ほかでは体験できない物だと思います。ぜひ皆さんにもお勧めしたい温泉ですが、道中だけは十分にご注意を。宿の送迎を利用されることを強くお勧めいたします。
なんといってもこのお湯は、最高です。今までに経験したことのない、最高のお湯です。是非とも皆さんに堪能してほしいと思います。もうすこし近くて、もう少し道が良ければ、必ず再訪してみたいお宿です。