さてお待ちかねのお食事です。書き込みには、以前との比較がいろいろとあり、期待半分、不安半分でした。

食事につきましては、個人の味覚の問題もあり、また、初めての宿泊ですので、あくまでも、我が家の好き嫌いで書いておりますことを、お含みおきください。

まず、主室に食事は用意されます。少々予定時間をオーバーしております~。不安~。




お品書きです。達筆な文字が並びます~。




最初は、菖蒲酒と白魚の衣揚げ。菖蒲をさした徳利にお酒が来ます。菖蒲の香りがお酒に移っています~。数多く白魚の唐揚などを食べてきましたが、こんなに歯ごたえのある白魚は、初めてでした。お酒が進みます~。まるで軟らかいスルメのようです~。あまり表現が良くないかも~。

このお箸、何気なく置いてありますが、うっすらと水分があります。少量の水でし湿らせてあるのです。こんなちょっとした気遣いが、素晴らしいと思いました。こんな気遣いをしている旅館が今でもあるのが驚きです。

お茶事などでは、今でもお箸を濡らすことがありますが、旅館で見たのは、初めてです~。やっぱりすごいです~。




空豆のすり流し。空豆の風味がよく出ていて、美味。個人的には、もう少し塩分がほしかった。




今回のお酒は、メニューに大好きな黒龍があったので注文。さっぱりとおいしお酒ですよ~。廉価ですし~。




八寸になると思います。独活のヌタ、のびる、石鯛の煮凝り(小鉢入り)、蛸の柔らか煮、猪ベーコン、海老の酒蒸し。猪のベーコンは、初めてでしたが、臭みもなく美味しい物でした。




次に出てきたのが、立派なお鍋。中身は、田芹と太刀魚の吸い鍋。出汁のよく利いた美味しい物です。特に芹が何とも言えません。我が家は、芹が大好きで、お正月のお雑煮には、大量の芹をのせて食します。



仲居さんが、手早く取り分けてくれます。



出来上がりです~。お鍋は大きいですが、お椀に盛るとこれだけです~。お出汁が利いていて、美味。
お代りがほしかったです~。




このお鍋、純銀製の鍋なのですが、御いくらだと思いますか?仲居さんが、「売店で売っていますよ~。おいくらだと思いますか~?たぶん桁が違いますよ~。」と、なんだか意味ありげに言っていました。

調べると、ナ、ナ、ナント450.000円也です~。売店で本当に売っていました~。誰が買うんだろう?




次は、お造りです。石鯛と鰹と伊勢海老です。そつなく美味しかったです。お醤油の味は、「椀」さんの、お醤油の方が美味しいと思いました。



鱒の木の芽炭火焼き。これは、少々身も硬く、パサパサして、あまり美味しいとは言えませんでした。残念。




次に出てきたのは、お品書きと違いました。オクラとアオリイカの酢びたしでした。さっぱりとした味わい。普通です。





手長海老の唐揚です。殻まで食べる方がいらっしゃるとのお話でしたが、到底私に無理でした~。殻はかなりの硬さです~。でも身は美味しくいただきました。だし汁も美味しい物でした。




さて、ここの名物の穴子黒米ずしです。期待していましたものです。確かにおいしいですが、少々穴子が硬いようで、個人的には、お味も薄いように感じました。これは味覚の差があるかもしれません。ただ、一個しかなかったので、せめて2個は欲しかったです~。

手前の棒状のものは、穴子の骨の唐揚です。大好物のハジカミも美味しかったです~。
意外に美味しいハジカミは、少ないのです~。




新玉葱、白金豚、焼トマトの炊合せです。これは、私たちの口には合いませんで、妻君ともども残してしまいました~。残念。
(このトマト「あめーら」と地元では呼ぶみたいです。「甘いです」の意味らしいです。)




最後にお食事ですが、鯵寿司でした。ほかに、お漬物と味噌汁でした。私は、鯵寿司は、美味しくいただきました。妻君は、少々口に合わなかったみたいです。味噌汁は、少々濃いめのお味でした~(石川県の方言では、クドイ味付けといいます。)。出汁が弱いのかもしれません。




デザートとしてメロンか、くずきりが、選べましたが、迷わずくずきりをたのみました。黒蜜がとっても美味しく、葛もとってもなめらかでおいしかったです。




アイスクリームは、しょうがとよもぎでした。しょうがはパンチがあり、ヨモギは濃厚です。どちらもとっても美味しかったです。



期待していた夕食のお料理ですが、素材を生かした御料理で、全体的には、大変おいしい物でした。ただ、少々お味に斑があるようで、出汁が利いていたりいなかったりしていて、味付けが濃かったり薄かったり。
同じ料理人が作っているように思えないほど味が料理によって違うのです~。これは、味に変化を与えていると解釈するのが良いのか、少々難しい所です~。

また、仲居さんの人数が少ないのか、少々配膳が遅く、最初から2時間30分あまりの時間がかかっています。私は、以前は食べるのが早すぎる人間でした。でも今では、かなりゆっくり食べようになったのですが、それでも、御料理の合間が長いと感じました。もう少し早めに配膳されると良いと思いました。

また、量的には、今の私にはちょうど良い量で、満腹で、しんどいという事はありませんでした。ただし、これは今の私だからで、以前の私や、息子などには、少々物足りないかも知れません。

それでも、全体的には、美味しいと思います。






続いて、朝食です。




名物の椎茸の焼き物は、方射性セシュームが検出された影響で、がんもどきの炭火焼きに変化していました~。残念。

私は、別にセシュームが検出されていても、椎茸で構わなかったのですが、、、。

私のこの年で、セシュームを摂取しても大勢に影響はないと思いますので~。

しし唐はありました。出汁醤油と、塩と、ワサビをお好みでつけて食べます。







しんとり菜?(初めて聞いた名ではっきりしません~。)の胡麻和え。ちょっと不確かです~。みず菜のような触感でした~。



シラスとワサビ漬け。シラスは、大変おいしかったのですが、ワサビ漬けは、はっきりといって美味しくなかったです。




ご飯は、おこげ寸前の白飯で、おこげになっていないくて、単なる固いお米でした。おこげになっていれば、美味しいのでしょうが、、、、。大変残念でした。


味噌汁は、合せ味噌みたいで、少々の白みそが混じっていて大変美味しかったです。夕食とは、比較にならないほどおいしかったです~。なぜ、夕食と朝食のお味がこんなにも違うのか不思議です~。

この蜆は、大変お大振りで、ぷっくりとしていてとっても美味しかったです。こんな、蜆を食べたのは、はじめてでした。大変美味。




お漬物は、少々浅めの味付けです。




出汁巻は、文句の無い物です。だし汁が一杯で、大変美味しかったです。




焼き物もとってもアツアツで大変美味しかったです。




このタケノコ料理は、残しました。私たちにの口には合いませんでした。味付けが濃すぎるのです。しょっぱいといった方が良いかも知れません。夕食の味噌汁と同じで、少々クドイのです~。どうしてだろう?




デザートの西瓜はとっても甘かったです。




お汁粉もとっても美味しい物でした。これは、お代りがほしかった~。




朝食が済み、精算をお願いすると、サロンにて、コーヒーのサービスがありました。とっても美味しいコーヒーでした。お代わりしたいのをぐっと我慢して、名残惜しいですが、あさばを後にする事と成りました。

このコーヒーは、今までに飲んだ旅館のコーヒの中では、1番でした~。



この風景を目に焼き付けて、再訪できることを願いつつ出発です。大変いい思い出になりました。





帰りの際、若主人と若女将が、わざわざ車を追いかけてきてくれて、能舞台と我が家の所縁を丁寧に聞いてくれたことには驚きました。数年前には、前田家の方も見えていたみたいで、我が家の家系を聞いて、驚いていらっしゃいました。好感のもてる、若い継承者でした。これならこの宿も安泰だと思いました。時間をおいて、また泊まってみたい宿です。久しぶりに、懐かしい思いがする昔の良き時代のお宿でした。

あさばの総評:

大変古い佇まいですが、内装は、きれいに維持管理されています。人の気配や、物音が気になる私ですが、まったく気になりませんでした。宿のご厚意で、上の階を空けていただいた効果もあったとはいえ、細かな気遣いが感じられました。特筆すべきは、本文でも書きましたが、清掃が徹底されていることです。数多く旅館に泊まってきましたが、これほど清潔な宿は知りません。塵ひとつないとはこのことだと思いました。

ただ、名をはせている、お食事については、個人個人の味覚に負う所があるため、断言はできませんが、私には、かわせみの方に軍配を上げたいです。お料理によって、味付けの方向性が、まちまちで統一感が欠けているように思いました。端的に言えば、かわせみのほうが、私たちには満足感が強いという事です。

それでも、この宿は、私は大好きになりました。これだけ、さりげなく、また徹底的にこだわっている宿は無いと思います。この一種独特の雰囲気が私には大変好感が持てたからです。
また、時期を替えて再訪したい宿です。宿泊費、@55.800円也は、決して高くはないと思いました。


次回は、翌日泊まった、赤沢迎賓館をご紹介いたします。
ご訪問ありがとうございます。






(参考)ちなみに、殿様の菩提寺(実性院)の墓は、ちょっと珍しいので、公開いたします。

由来等と墓石の意味が書いてあります。



寺の裏山の頂上付近に、約30基のお墓があります。殿様と追い腹をした者の墓があります。この一画だけが、ほかの墓とは別にあります。



御殿様の御墓のうちの1基(初代の殿様)です~。お城みたいに石積みがされています~。約3~4mの高さがあります。



殿様のすぐ隣に、ちょっと小さめなのですが、2Mくらいの高さの我が家のご先祖様の御墓です~。
「殉死者の墓」とあります。




知人に見せると、みなさん驚かれます。結構珍しいと思います。